会場にパソコンとモニターを設置した実行プログラム作品である。
小さなパーツが次々と描き重ねられることで、画面は休むことなく更新される。
このシリーズは、蓋を開けると音楽が流れ出すオモチャに似ている。
蓋が開いている間は、調べは休むことも、繰り返すこともなく流れ続け、その全貌は決して把握しきれない。
だが、蓋を閉じて調べを封じると、想像の香りを放つ小さな箱に変わる。
それは自分が死んだ後のリアル宇宙の姿なのかも知れない。
これは夢で見るような連想映像をソフトウェアで表現した作品です。
画面構成はアドリブで展開されるため、永遠に同じ場面に出会う事はないでしょう。
上の説明とはやや矛盾するが、現代のコンピューターには正確な意味でのランダムは存在しない。 プログラムが完成し、起動された時点で、未来永劫のすべての場面が決定していて、何一つ不確定な要素はない。 つまりこの作品は、小さいながらもれっきとしたラプラスの悪魔なのだ。 だが、世界が決定論的であろうとなかろうと、大した違いはないと思えるほど大きな変換、すなわち、想像によって私達は世界に接している。