虚記号はどうやれば描けるだろうか?
どんな形であれ、何かが虚記号として定義された瞬間に、それは記号になってしまうことに注意しよう。
描いたものを虚記号、すなわち記号でないものにするには、記号の用法から解放する必要がある。
だが、これがなかなか難しい。
白い紙に一本の横線を引いただけで、地平線や水平線の記号になってしまうのだ。
ただし、ここでの目的は、描いたものと意味とを切断することではなく、その意味への情報の流れをイマジナリーな方向に転換することだ。
RPPは、虚記号を作る方法の一つとして考えられたもので、見る人の論理的な推論で駆動する。
記号がどのようにして描かれたかを読み解くと、無作為な情報源へと辿り着き、その認識によって記号からの情報送信を停止させるしくみである。
1. 題材の描かれた的を用意する。
2. 特別製のダーツの矢に絵具を充填する。
3. 離れた処から的に向かって矢を投げる。(当った処に飛沫が残る)
4. 当った地点を計測する。
5. 計測データを所定の欄に記入。
6. そのデータを所定の方法で展開し結果を別の欄に記入。
RPPは占いのシステムに似ている。
だが、もちろん、目的は何かを占うことではなく、占いのオーラを発生させることだ。
もし、これらのグラフや文字が恣意的に決定されたものであれば、通常の記号としてあなたに向って情報を送信してしまう。
あなたからの情報を受信する虚記号となるためには、それが無作為に決定されたことが自明でなければならない。